一枚のはがき
台所の状差しから出てきた一枚のはがき。東京・八王子で学生時代2年間お世話になった下宿のおばさんからの就職祝いのはがきでした。もう27年前のこと。おばさんが、他の下宿生と私がいたころのことを思い出してるよ、仕事頑張ってというメッセージ。
春の下宿の歓迎会は、中央大学・杏林大学・明星大学・創価大学など20名以上の学生が、大学、学年を超えてワイワイガヤガヤ。いつまでもおばさんを囲んで盛り上がりました。
夜に、畳三畳の部屋に友達を4人も5人もつれてきて飲んでいると、一升瓶のウイスキー(名前は、今でも忘れられない「ブラックアーマー」)やつまみを届けてくれたおばさん。
よくおばさんの茶の間で、お菓子を食べながら昔の学生の話を聞かせてもらうことも。
卒業して数年後に下宿を訪ねた時は、ヘルパーさんがいて「痴呆が進んでるのよ」と教えてくれましたが、おばさんは、私の名前や学生時代のことはしっかり覚えていてくれていました。
かつて、井上順のヒット曲「お世話になりました」に「あなたの優しさを僕は忘れないでしょ、・・・お世話になりました。」という歌詞がありますが、きっと天国にいるおばさん、卒業しても気にかけてくれてありがとう。
おばさん、お世話になりました。